2017年8月29日 早朝6時。Jアラートによるけたたましいアラームで叩き起こされた方も多かったのではないでしょうか。
北朝鮮のミサイルが日本に向けて発射されたことによるこの警報は、我々が「ミサイル攻撃」という非日常に備えなければならなくなったことを示しているのではないかと思います。
昭和20年7月15日を振り返る
室蘭市は戦前から、製鉄業、兵器製造、造船業と、有事の際に必要とされる物資を生産する重要拠点でした。
そんなことから、太平洋戦争末期、室蘭は激しい艦砲射撃と空襲で壊滅的な損害を受けています。
「いざと言うときに、室蘭は狙われる場所なのだ」ということ。この教訓は、先人たちが今の市民に残してくれた貴重な「記憶」と言えると思います。
昭和20年7月の艦砲射撃・空襲では、やはり製鉄所と製鋼所が狙われました。今後も狙われる可能性を考慮しなければならないでしょう。
核の被害を想定する
北朝鮮の恐ろしいところは、核を保有していることです。
それでは、世界で唯一実戦で使用された核2つのうちの一つ、広島型原爆を想定してみましょう。
広島では、爆心地から半径2.5キロ圏内にあった建物はほぼ全壊となりました。つまり、このエリアにいた人たちは、建物の中にいても、ほとんど助からなかったということです。
さらに半径5.0キロ圏内は、半壊・大破となりました。ということは、建物の建材やガラスが壊れて飛び散ったということです。
爆風に乗った破片は、物凄いスピードで飛び、人の身体など容易く貫いたことでしょう。なので、このエリアで外にいた人も、ほぼ助かっていないと思われます。でも、建物は全壊を免れてますから、建物の中、頑丈な場所にいれば助かった可能性もあります。
余談ですが、室蘭艦砲射撃の時にも、砲弾の着弾の衝撃そのものよりも、破裂した砲弾の破片で多くの死傷者が出たと言われています。
もしも室蘭に広島級の核が落ちたら
では、実際にこの「2.5km圏内」「5.0km圏内」を室蘭の地図に書き込んでみましょう。
まずは、某基幹産業の心臓部的設備を爆心とした図です。この場合、某基幹産業の構内と輪西地区、御崎地区までがレッドゾーンです。
イエローゾーンは室蘭市の市街地ほぼ全域。外れているのは陣屋と崎守と白鳥台、そして絵鞆くらい。
では、このエリアは安全なのでしょうか?
残念ながら、そうとは言い切れません。
例えば某石油化学工場、あるいは某造船所に落ちたらどうなるでしょうか。
思い切りレッドゾーンにかかりますね。
このパターンにおいて、さらに恐ろしいのが、白鳥大橋がレッドゾーンにかかっていることです。
この攻撃で白鳥大橋が落ちたりすると、湾口を塞ぎ、室蘭港の港湾機能に支障が出ます。
最後に、某製鋼所に落ちた場合です。
まとめ
このような記事を書くと、「いたずらに不安を煽るな」等のお叱りを受けるかもしれません。
でも、「危機管理」とは、「最悪を想定」して、その場合にいかに生命と財産を守るかを考えることです。
万が一の場合に、ご覧の皆様が生き残る一助となることを願っております。
最後に、室蘭市が公開している、有事の際の行動についての情報をご紹介します。
http://www.city.muroran.lg.jp/main/org3250/misairu.html
核より固体ロケットブースターの燃料や増燃剤に使われている猛毒が心配です。直撃しなくとも周りに毒ガスを撒き散らす状態ですからね。
北朝鮮ミサイルの誘導技術ですが、テレビを鵜呑みにしてはいけません。GPSを使っても精度は数キロずれる位と見ています。通常弾頭であっても自宅付近に墜ちる可能性がある訳です。
安心して暮らせる国に早くなって欲しいです。